オオカミなんて怖くない
清く優しいお嬢さん
オオカミどもに気をつけて
お人好し過ぎるお嬢さん
奴らは善意を食いつくす
甘い言葉で微笑んだ
奴らの牙を見透かして
奴らの毒牙にやられても
心を静めて前向いて
背筋を伸ばして見据えれば
白々しさが浮き上がる
もう怖くないねお嬢さん
「わかっているぞ」と目で射ぬけ
視線をそらすなお嬢さん
冷たく呆れて目で潰せ
弱さを狙うオオカミに
踏み込ませるなよお嬢さん
あなたには意思がある
そいつの言葉は真実なのか?
ずいぶんご都合主義ではないか?
あなたは踏まれて当然なのか?
それこそ人格支配でないか?
産まれたばかりの赤子でさえも
「大切にして」と泣き叫ぶ
あなたには意思がある
助けを求める知恵もある
選択しだいで変えられる
壊される前に逃げられる
苦しみに打ち砕かれても
あまりに強い絶望に、心のすべてをさらわれて、脱け殻のようになろうとも。
魂のカケラは残る。
やがて無残に奪われた、心の一部が疼いても、気丈なフリなどしなくて良い。
魂のカケラが消える。
なにより自身を大切に、豊かな森で治癒され、良いものを食べ眠りなさい。
魂は育ちはじめる。
時が癒すと言うように、多大な時間を費やすが、きっとあなたは強くなる。
尊き魂へと変わる。